質問へのご回答
Q. 過去の高度成長の頃の日本と比較して今の中国は違うところがたくさんあると思うが・・・。
A. よく、昭和30年代の日本に例えられ、高度成長を遂げた日本と重ねて考えられます。その当時の日本と比較して大きな違いはいつくかあります。
@ 日本の人口の13倍を抱えていること.
A 面積も26倍の広さを抱え、多民族国家で一つの方向にまとめるのが大変であり、地域格差も激しいこと
B その当時の日本と異なり、世界的な技術革新は更に大きく進んでいること
例えば日本は固定電話やTVの普及が始まりですが、中国ではそれらを飛び越えて、携帯電話やPCなどITの申し子の普及が加速しているという事実。ITのスピードは瞬く間に情報化を促進します。最大のネックである地域格差も、IT化のスピードがその情報格差を埋めていく役割を果たしていきます。このことは携帯電話が既に日本の5倍近い需要が存在し、加入者数は市場25万人いることからみても、その象徴でありましょう。これらIT産業の方向には外資系企業の役割が益々高まり、ノキアなどのフィンランドの一メーカーが大きく成長していった例からみても世界の企業に中国市場がどれだけ影響を受け始めているかは過去の日本市場とは比較にならない程です。
C 資源がある日本と異なり石油資源やガス資源等が豊富に存在します。
日本はオイルショックなどを経験し、外国からエネルギー資源を依存してきたことが大きな経済成長の抑制要因となりましたが、中国国内にはまだまだ潜在的な、顕在化している様々な資源を豊富に保有しています。
D @にも関係しますが、莫大な内需のパワーがあります。
13倍の人口を抱え世界人口の1/4を有する国の消費性には世界経済に大きな影響を及ぼします。日本人のファッション性向が変わった所でたかが知れていますが、中国人の着ている服が大きく変化していく時には、世界人口の1/4が変わっていくこととなる為、世界の衣料業界への大きなインパクトをあたえます。
E 都市住民と農村住民の消費性的には大きな違いがあります。これは中国経済を見る上で重要なポイントです。
例えば、TVの普及率、インスタントラーメンなどは普及率や売れる製品に都市と農村では大きな違いがあります。農村住民の方がパイは大きいが、都市住民の人口は伸長してきているというのも大きなポイントです。これも自然の流れで、出稼ぎ労働者の増加により都市近郊の住宅需要などが押し上げられます。又、この都市住民だけに絞ったとしても、日本の4倍の人口をもち、更に成長しているという事実を考えていただきたい。
過去の日本とのこれらの違いは、株価にも当然表れてくるでしょう。日本は日本市場の限界(人口1億と1/50に過ぎない)を超えるために輸出に道を開きました。この限界故に世界のソニーやホンダが生まれたと言っても過言ではないでしょう。
しかし、中国の場合は、中国人にどう受け入れられるかを最優先に考えても、世界市場の1/4をすでに相手にしているのです。 人民元高の懸念もよく耳にしますが、日本のように外需主導の場合の円高とは同じ土俵にのせるべきではないでしょう。人民元高は時代のすう勢であり、上げざるを得ませんが、外国企業にとっては、より中国市場にアプローチしやすくなる。中国企業の中でも世界相手の輸出企業に投資することを控えるという基本的投資方針でよいものと思われます。
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