株のサポートの特徴
季節の影響を受ける銘柄の特徴
株式は、企業業績に連動するものですが、季節性の強い商品を扱っている企業においては、季節の移り変わりや天候の影響によって株価に変動が生じます。このような特徴を捉えて投資しようとするのが、季節株投資です。そこで今回は、季節株投資の内容について解説していきます。
季節株とは
季節株とは、季節の変動に応じて株価の影響を受ける株を呼びます。例えば、猛暑が続くとビール会社の株価が上がる、といった具合です。あるいは、寒い日が続くと暖房機器メーカーや石油関連会社の株価が上がるなど。
季節は毎年訪れますが、その季節になって暑ければビール会社が儲かりそうと思いますし、寒ければ暖房が売れそうと思うのは自然なことなので、関連銘柄の投資が増え、それが株価に反映するわけです。
春のイベントと季節株の傾向
春はイベントとしては、入学や入社があるため、ランドセル、文房具、制服など、入学にあたって必要な用品の需要が高まります。例えば文具であれば、コクヨや三菱鉛筆などの銘柄が注目されます。
また、春はゴールデンウィークがあるので、長期休暇で海外旅行をする人も増えます。そのため、JTBやHISなどの株価が注目されます。
さらにイベントではありませんが、花粉症の時期になるので、花粉症対策商品の需要が高まります。例えば、マスクや鼻炎薬などです。そのため、マスクを製造している会社、あるいはマスクを販売している会社、鼻炎薬を販売している会社などの株価が上がる傾向があります。
夏のイベントと季節株の傾向
夏は、ビール、清涼飲料水、アイスなどが売れるので、アサヒ、キリン、サッポロ、サントリー、コカ・コーラ、伊藤園、グリコ、ロッテなどの銘柄が注目されます。また、夏はどうしてもエアコンの利用が増えるので、東京電力、関西電力、東北電力などの電力株も上がる傾向があります。
また、夏休みがあり、避暑地へのリゾートをする人も増えるので、リゾートトラスト、東急ハーベストなどの、リゾート関連株が上昇する傾向があります。
秋のイベントと季節株の傾向
秋は、あまり大きなイベントはありませんが、レジャーに適した季節なので、交通機関やレジャー施設などの株価が注目されます。具体的には、JR各社、日本航空、全日空、JTB、HISなどが挙げられます。
冬のイベントと季節株の傾向
冬はクリスマスやバレンタインデーといったイベントが多いため、おもちゃや菓子メーカーの需要が増加します。おもちゃであれば、任天堂、タカラトミー、バンダイナムコ、お菓子メーカーであれば、グリコ、森永、明治製菓などの銘柄が注目されます。また、冬は暖房需要が高まるので、石油やガス会社の株価も上昇する傾向があります。
このように、人の需要と関連性が強いので季節株はわかりやすいのですが、その反面、冷夏や暖冬など、その季節に見合う環境にならない場合、思うように商品の需要が上がらず、株価が値下がりすることがあります。
また、いくら季節株といっても、他社で人気商品が出るなど、外部要因によって株価は大きく影響を受けるので、安易に夏の季節株を冬に買っておけば、必ず儲かるという単純なものではありません。
したがって、季節株もポートフォリオを組み、分散投資すること大事です。例えば、夏に株価が上がりそうな株を保有するだけでなく、冬に株価が上がりそうな株も保有するということです。
今回は季節株を見てきましたが、テクニカル分析の指標と比べると、ずいぶん原始的のように思われるかもしれません。しかし、株を購入する動機というものは、結局は、「儲かりそうかどうか」ということなので、季節株の考え方は、意外に素直な動きなのかもしれません。メインの指標とはなりえないとしても、一つの参考にしていただけたらと思います。